・・・5のつづき
ゆーちとふたりで家に戻る
ベッドに座る、その横でゆーちは寝転ぶ
たぶん眠いのと、気疲れとかそんなんでしんどかったんだろう
そこからぽつりぽつりと聞かれる
「どうしたん、おまえ」
「あんなに嘘つくのがキライやったのに」
何も言えなくて、黙ってる
ゆーちがなつこも横にならそうと体をひっぱってくる
嫌がる
するとこちらに体を向けて、ひっついてくる
ゆーちが不安がってる
さみしがってる
ここからなにを話したかあまり覚えていない
記憶が残ってないのもあるし、あたしはたぶんYのことを考えてた
ゆーちにとにかくいっしょに横になるようまた促され
いやいや横になって、ゆーちと向き合う格好になる
なつこが黙っていると、またゆーちが話し出す
「消毒しないと」
そう言ってちゅうをしてくる
なつこは、ただ応じるだけのちゅう
「なつこが俺にたくさん愛を教えてくれたのにな・・・」
「こんな終わり方ないやろ」
「俺の愛は、そんなにイヤやった?」
悲しそうな顔
急に罪悪感に襲われる
今までも何度か「あかんな、いけないことしてる」そう思ったけど
初めて悪いことをしたと心から思った
泣けてくる
ゆーちも泣いてた
いっぱいいっぱい泣く
ただただ涙が流れてくる
ゆーちは何度かちゅうをしてくるけど
もう終わるんだ、と思った
ゆーちとのこれまでが、2年半のすべてが終わる
初めて「ごめんね」と謝った
もう顔は、ぐしゃぐしゃ
そしたら。
終わると思ってたら。
なんだか、なんとなく終わらない空気を感じる
なんとなく。ゆーちは何も言ってないけど。
そいで、えっちしなきゃ。
なつこの体、消毒しないと。って
でもきっとそうなる、と思ってた
ゆーちは、そゆひと
そう、思うひと
えっちをする
いつもより激しかったのか、そゆのはよく覚えていない
ただ、終わったあと「どっちのが気持ちよかった?」と聞かれた
それも聞いてくると思ってた
「答えない。どっちって言っても、ゆーちは悲しむ(傷つく)から」と言うと
「あ、そ。」と笑ってた
お腹空いたってなって、車でご飯食べに出る
夜中の0時ごろだったと思う
ゆーちは、もう普通にしゃべりかけてくる
扉が開かなかったとき(チェーンで)ビックリした、とか。
なつこも、まぁ普通に聞く
するとバイト先の店長から着信
ん?なんやろ?と思いながら出ると
「おーイチカワか。Yから聞いたけど、だいじょぶか?」
店長には、実はタイムリーなことにこの日の前日に
いっしょに飲みに行ってて、Yとゆーちとのことを相談していた
もちろん、ゆーちには内緒で↑
そしてどうもYはあのあと、バイト先に行ったらしいことが
この店長の一言で分かった
「大丈夫ですよ、今彼氏とご飯食べてます」と言う
すると店長は察してくれて「次のシフト大丈夫?」と話をすりかえてくれて
「はい。明日ちょっと早めに行きますね」となつこも答える
店長に話を聞いてもらいたくて、Yのことも聞きたくて
店長も分かってくれたのか「12時ぐらいまでならいてるから」と言ってくれる
分かりました、と電話を切る
ゆーちには特に怪しまれず、そのあとご飯を食べ終え
帰る
1時過ぎ、Yからメールが来る
「店長から聞いた
とりあえず無事みたいでよかった
でももうお前との関係は本当に無理やから」
そうか。
ただそれだけを思った
あたしも疲れてたのか、それとも心のどこかで分かってたのか
返事もしなかった
寝る
やっと長い一日が終わった
・・・7へつづく